エチオピア技術協力プロジェクト/
地下水開発・水供給訓練計画フェーズ2

JICA EWTEC
   
 
 
         
 

■調査研究活動

2006年3月に策定されたP/Oでは、調査研究活動は以下の内容を含んでいます。

社会状況調査の様子 1. ブタジラ−ズワイ地域開発調査
  1.1. 地下水管理
  1.2 適正技術開発
 2. 適正技術普及活動(ロープポンプ普及活動)
 3. 井戸診断/リハビリ
 4. インパクト調査

その他の調査研究活動として、以下の活動を実施してきました。

 5. Afridevハンドポンプスペアパーツ耐久試験(継続中)
 6. 火山地質調査
 7. EWTEC構内での試験施設

 


■ブタジラ−ズワイ地域開発調査

(1)地下水管理

水汲みの順番を待つ長い行列これまでエチオピアでは、旱魃による水不足に緊急に対処するため、地下水資源量を的確に把握することなく、地下水の開発を行ってきました。南部諸民族州ブタジラ地区は、アフリカ大地溝帯 (グレートリフトバレー) に位置し、西側にある3000m級の山岳部から、低地のリフトバレーまでなだらかな傾斜をもっています。当該地域の地下水資源量を把握するため、地下水流動モデルを構築し、適正な地下水資源管理計画を策定します。ここで得られたデータは、他のアフリカ諸国にもまたがるリフトバレー地帯で、大いに参考になるものと期待されます。

*調査結果ワークショップ

2008年1月17日、アディスアベバのホテルにおいてブタジラ・ズワイ地域開発調査の調査結果を公表するための1日ワークショップが開催されました。参加者は地質調査所、アディスアベバ大学、オロミヤ州及び南部州水資源局、民間コンサルタント等、40名を超え、活発な意見交換ができました。

プレゼンテーション資料
1. General(PDF32KB)
2. Socio-economy(PDF41KB)
3. Geology and Hydrogeology(PDF604KB)
4. Groundwater Modeling(PDF624KB)
5. Appropriate Technology(PDF773KB)

調査結果をまとめたテキスト
1. Drilling and pumping test(PDF/1338KB)
2. Geology(PDF/3232KB)
3. GIS mapping(PDF/1064KB)
4. Hydrogeology and Groundwater Modeling(PDF/5436KB)
5. Water Quality(PDF/899KB)
6. Socioeconomic study(PDF/504KB)

ワークショップの様子 ワークショップの様子 ブタジラ・ズワイ地域水理地質図

 

(2)適正技術開発

南部諸民族州ブタジラ地区は、地下水ポテンシャルは決して低い方ではありません。にもかかわらず、2002年、2003年の旱魃では、栄養失調者が高い割合で発生するなど、大きな被害を被りました。本調査では、ローコストかつ現地の事情にあった水の効率的な利用法を開発し、全国に普及させる計画を策定します。

ブタジラ−ズワイ地域観測井2005年度後半から、プロジェクトでは当該地区において6ヶ所の観測井を掘り、水質や地下水位の変動などをモニタリングしています。観測井のうち、地下水深度が150m以内の4ヶ所については当訓練センター保有の掘削機で掘削しました (1本は掘削技術訓練コースの実習として訓練生とともに掘削)。2ヶ所については地下水深度が200m前後と、当方の掘削機のキャパシティーを越えていたので、民間掘削会社に発注しました。

6本の観測井については、水位のモニタリングを継続するとともに、適正技術開発実験としての家畜駆動ポンプ、風車ポンプ、電動ロープポンプ等をパイロットプロジェクトとして設置する計画です。また、これらの井戸は必要なデータが集まったところで現地住民に引き渡す予定ですが、その際、実際に水を利用するため、最もふさわしい給水施設の提案をしていきます。

 

(2-1)動物ポンプ

2007年3月、適正技術開発の一環として、ブタジラ郊外の農家の手掘り井戸に動物を駆動力としたポンプを設置しました。時代遅れとも捉えられがちの動物ポンプですが、燃料価格が高騰している昨今、まだまだ普及の可能性を残しています。動物ポンプの開発にはオランダのNGOPractica Foundationより技術者を招聘し、EWTECスタッフとともに製作にあたりました。製造から設置まで約1ヶ月を要し、現在は設置後のモニタリングを実施中です。設置時のユーザーへの受けは大変よく、今後はポンプの耐久性、ユーザーによる維持管理の持続性が注目されます。また、ポンプの製造・建設に関しては、コスト面の課題が残りました。

*動物ポンプ製造にかかる報告書を見る。(PDF262KB)

*モニタリング記録を見る(2007年5月〜2007年9月時点)。(PDF168KB)

*モニタリング記録(2007年9月24日)

EWTECワークショップにて
動物ポンプの試作品製作
動物ポンプ製作に熱中するEWTECスタッフ 動物ポンプ製造にはオランダNGOより技術者招聘
動物ポンプを設置した
手掘り井戸
現場でのの試験運転 現場での設置作業(ブタジラ)
ロバによる実験 馬による実験 牛による実験
汲み上げた水は簡易タンクに
一時貯留
給水栓による取水 実験に協力してくれている住民。現在もモニタリング実施中。

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(2-2)コミュニティ簡易給水システム(エンジンタイプロープポンプ)(Kuno Kertafa村)

6箇所ある観測井のひとつ(TW04、Kuno Kertafa)にエンジンタイプロープポンプを設置しました。事前に住民集会により水委員会を設立し、施設の運転及び管理にあたります。施設には隣接しているクリニックの建物内及び屋外トイレへの洗面所、点滴灌漑用施設、洗濯場を含みます。今後は施設の耐久性を含めた維持管理状況、住民へのインパクトをモニタリングしていく予定です。

*施設建設にかかる報告書を見る。(PDF825KB)

*モニタリング記録を見る(2007年5月〜2007年9月時点)。(PDF358KB)

*モニタリング記録(2007年9月25日)

住民集会により水管理委員
の選出
ロープポンプの設置には住民も参加 エンジンタイプのロープポンプ試運転
プラットフォーム上に設置された
エンジンタイプロープポンプ
給水栓 隣接するクリニック内に洗面台設置
同村内にデモンストレーションとして
普及型ロープポンプを設置
ロープポンプをまわす女性 ロープポンプを家庭菜園へ応用

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(2-3)家庭簡易給水システム(改良型手動ロープポンプ)(Dobena Bati村)

ブタジラからズワイへ抜ける街道沿いの手掘り井戸に改良型手動ロープポンプを設置しました。水量不足により電動ロープポンプの設置を断念し、普及型ロープポンプをプラットフォーム上に設置し、給水タンクに一時水をためる施設を建設しました。施設には簡易給水栓1箇所及び点滴灌漑用施設を併設してあります。街道沿いということもあり、ロープポンプの宣伝効果を期待しています。

*施設建設にかかる報告書を見る。(PDF825KB)

*モニタリング記録を見る(2007年5月〜2007年9月時点)。(PDF268KB)

改良型手動ロープポンフ ゚
施設建設風景
簡易給水栓設置 プラットフォーム上に設置された
ロープポンプ

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■適正技術普及活動(ロープポンプ普及活動)

ロープポンプ普及活動は2004年以降、当プロジェクトがイニシアティブをとって始まりました。ロープポンプ製造及び設置訓練には当初よりオランダのNGO(PRACTICA Foundation)の技師を招聘しており、ローカルの技術者も育ちつつあるとともに、国内での認知も高まりつつあります。

*ロープポンプの紹介(PDF/525KB)

2006年3月の実施計画表(PO/Plan of Operation)では、2008年3月までに500台のロープポンプを製造、分配するとしています。500台のロープポンプは4大州(ティグライ、アムハラ、オロミア、南部諸民族州)に分配されることになっています。

ロープポンプ製造訓練参加ワークショップ2006年3月のロープポンプ訓練コース (オランダ人講師) では、エチオピア国内9ヶ所から集めた12ワークショップ (政府系職業訓練センター講師3名を含む) に対し、ポンプ製作及び据え付け訓練を行いました。訓練生には、訓練終了後にポンプを各10台作るよう伝え、その後プロジェクトから派遣したエチオピア人ロープポンプ技師が現地に行ってチェックする体制をとりました。最終的に8ワークショップが満足のいく製品を完成させています。現在、NGOを交え、南部諸民族州及びアムハラ州の水資源局とともに設置箇所の選定を行っています。

2005年12月にパイロットプロジェクトとして47台のロープポンプを設置したトゥルボロ(オロミア州)については、今後もNGOと協力してモニタリングを継続して行く予定です。

ロープポンプ普及プロジェクト関係者図2007年2月に予定されている第2回のロープポンプ製造訓練を前に、これまでのロープポンプ普及に関わるEWTECの活動をまとめ、今後の展望及び課題を明らかにしました(2006.10)。

*ロープポンプ普及活動中間報告書をみる。(PDF/809KB)

 

 

EWTECで訓練したローカルワークショップによるロープポンプ製造(Bati) EWTECで訓練したローカルワークショップによるロープポンプ製造(Awassa) ロープポンプの家庭用菜園への応用例(Tulubolo)
ロープポンプによる小規模灌漑例(Tulubolo) 家庭用に設置したロープポンプ(Chincha) 品質を保証するEWTECプレート

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■井戸診断/リハビリ

2006年の訓練コースにおいて、オロミア州の Ziway の都市給水用深井戸、南部諸民族州の Awassa 市内の浅井戸と Yiruba 村落の深井戸の計 3 箇所にて現地指導を行いました(詳しくはこちら)。今後は現在無償資金協力を実施中の現場にて出張訓練も検討中です。

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■インパクト調査

ブタジラ−ズワイ地域に掘削した6箇所の井戸のある地域を中心に、ベースライン調査を実施中です。調査はローカルコンサルタントへ委託して行っています。6箇所の井戸にはそれぞれ給水施設を設置の予定で、施設設置後にインパクト調査を実施する予定です。

フォーカスグループディスカッション (Adami tulu) 各戸調査
(Kuno Kartafa)
フォーカスグループディスカッション (Meskan)

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■Afridevハンドポンプスペアパーツ耐久試験

エチオピアでは数多くのハンドポンプが設置されていますが、ほぼすべて輸入品です。そのため、ポンプ設置後ある程度年数がたってしまうと、遠隔地へのスペアパーツの供給が難しく、ほんの小さなゴムパッキンが壊れただけで、数ヶ月も故障したまま放っておかれることもあります。
プロジェクトでは、ハンドポンプの中でもメジャーなもののひとつである「アフリデブポンプ」のゴムパーツを製造しようと試行錯誤している業者と接触を持ちました。また、これらのスペアパーツの耐久性を調べるため、オランダのNGO PRACTICA から技師を招き(2005.12)、ハンドポンプ耐久試験システムの設計と製造を行いました。

現在ローカル品のスペアパーツ試作品をポンプに取り付け、連続運転を実施し耐久性を調べています。現在のところ、夜間及び休日の運転管理が難しいため、平日の昼間のみ運転を実施し、定期的にポンプのハンドル1ストロークの吐出量を計測することで、パーツの消耗度をチェックしています。

Afridevポンプの消耗部品(ピストン及びフットバルブ) Afridevスペアパーツ耐久試験装置 定期的に吐出量を計測

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■ブタジラ〜ズワイ地区火山地質調査

エチオピア中央部に北東から南西方向に伸びるアフリカ大地溝帯は、活発な火山活動地域です。エチオピアでは約4000万年前に火山活動が始まり、地溝内に新鮮な火山地形が残され、火山活動は現在まで引き継がれています。この地域では多様な岩石・噴火形態・噴出規模の活動が異なる地質時代にみられること、また引張応力場であることが、地表地質および地下地質を解明する上でのポイントとなります。そこで、昨年度より当該地域で実施されている地下水資源調査の一環として、地域の詳細な火山地質情報を含めた水理地質図を作成するため、福島大学・長橋良隆助教授による現地踏査が行われました。また、踏査の結果をふまえアディスアベバで関連ワークショップが行われました。

写真は9月6日に行われたワークショップの様子です (午前:講義、午後:実習)。ワークショップにはアディスアベバ大学、メケレ大学、アルバミンチ大学、地質調査所等からの参加者に加え、当地で開催中の地下水モデル訓練コース参加者27名 (アフリカ12ヶ国14名、エチオピア13名) も出席しました (講義のみ)。

*調査報告書を見る。(PDF/275KB)

単成火山の断面 プリニアン降下軽石 プリニアン降下軽石とその上位の火砕流堆積物
ワークショップの様子 火山岩のサンプルを用いた実習 火山灰の顕微鏡観察

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■プロジェクト構内実験場整備

プロジェクト構内には、これまで掘削技術訓練コースの実習で掘削された井戸が何本もあります。これらを利用して、ハンドポンプ耐久試験システムを作ったり、ロープポンプを利用した農村家庭給水システムモデルハウスを建築しました。(2006年4月)

今後、施設内にあるワークショップの屋根を利用した雨水貯留施設を建設し、既存井戸への人口涵養試験を実施していく予定です。

農村家庭給水システムモデルハウス 雨水貯留システム

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  *調査研究内容
*ブタジラ調査報告書
(2006.3.31,752KB)